ホームページ >   


英語のなぞなぞ
 

2007年から毎月,月初めになぞなぞを更新しています。

    

   
  



英語のなぞなぞの分類 

英語のなぞなぞを分類してみました。

英語のなぞなぞは, 英語の言葉遊びとしてのなぞなぞと, 英語に関係ないなぞなぞの二つに大きく分けることができます。 

後者はさらに万国共通のなぞなぞ(下の分類の1)と,ある文化に特化したなぞなぞに分かれるでしょう。 たとえば「上は大火事下は大水,なーんだ」(正解:風呂)は日本の生活(それも一昔前の)を知らないものにはわからないなぞなぞでしょう。

ここでは主に, 英語の言葉遊びとしてのなぞなぞを分類しています。 ただこれらは riddle というより joke に属するものが多く, 答えを考え出す行為より, 答えのオチを楽しむものと言えます。



1.問題文をそのまま日本語にして考えられるなぞなぞ
世界最古のなぞなぞはスフィンクスがオイディプスに出した「朝4本足で, 昼は2本足, 夜は3本足で歩く動物は何? (Which creature in the morning goes on four feet, at noon on two, and in the evening upon three?)」と言われています。 この種のなぞなぞはどの言語で表しても考えることのできるものですから問題文を素直に日本語に訳せばあとは日本語のなぞなぞと同じ要領で答えを出すことができます。
ここで例を挙げてみましょう。 古典的ななぞなぞから。
例1: 
What has four legs and a back but no body?
(脚が4本あって背中があるのに体がないもの何?)
答え


次はひっかけタイプ。 
例2: 
How many months have 28 days?
(28日あるのは何ヶ月?)
答え


さらに論理的な思考力を要求するものもあります。  かつて私立高校の入試問題に出題されたこともある比較的知られているなぞなぞです。
例3: 
There is a man who has to cross a river in a tiny boat.  The boat is so small that it can only carry the man and one of the three loads: a fox, a goose, and a sack of corn.  He can't leave the fox alone with the goose, or the goose alone with the sack of corn.  How can he get them all across the river safely?
(小さな船で川を横切らないといけない男がいます。 船はとても小さくてその男と3つの荷物-- キツネ, ガチョウ, トウモロコシ一袋 --のうちの一つしか運べません。 キツネとガチョウまたはガチョウとトウモロコシをいっしょにしておくことはできません。 どうやって無事これらを向こう岸に渡らせることができるでしょう。)
答え


英語をそのまま日本語にして答えを考えるのと異なり, シャレ(pun)が絡んだタイプのなぞなぞは英単語の知識が必要になります。 シャレを使うなぞなぞは問題をそのまま日本語に訳して考えるのとは違い英語の知識が必要で難しいものです。 


まず問題と答えを添えて一つ紹介しましょう。 
問い:
What colors would you paint the sun and the wind?
     (太陽と風を塗るなら何色にする?)
答え: The sun rose and the wind blue.
     (太陽はバラ色で風は青。)


答えは I would paint the sun rose and the wind blue. (私は太陽をバラ色に風を青色で塗るだろう)という文の, 文法で言うSVOC文型の目的語と補語の部分だけを取り出したものになっています(the sun と the wind が目的語, rose と blue が補語)。


ところが rose は rise (昇る)の過去形と同綴意義語であり blue は blow (吹く)の過去形 blew と同音異義語です。 つまり耳で聞くと The sun rose and the wind blew. (太陽が昇り風が吹いた)とも解釈でき, こうするとSV文型の動詞が二つある文ということになります。 


同綴意義語と同音異義語, それに文型が絡み, そのうえ美しい情景が思い浮かぶ「洒落たシャレ」になっている英語のなぞなぞの傑作ですね。  もし学校の先生がご覧になっておられるなら, 5文型の授業のとき息抜きに取り上げてはどうでしょうか。 生徒が「なるほど!」という顔をするか, それともぼーっと口を開けているか, それでそのクラスの行く末が計られるかもしれません。


ではシャレのタイプのなぞなぞをさらに分類して見ることにします。



2. homophone(同音異義語)を使うなぞなぞ
homophone とは our と hour,  right と write のように綴りが異なり音が同じ語のことです。 
(参考資料) homophone のリスト(外部リンク)
例を挙げましょう。 まず古典的ななぞなぞです。
例4: 
What is usually black and white and red all over?
    (ふつうそこらじゅうが黒くて白くて赤いもの何?)
答え


こちらは簡単かもしれません。
例5: 
What truck can be driven only by men?
(男だけしか運転できないトラックは何?)
答え


こちらは凝った homophone です。 難題。
例6: 
How can you tell if a mummy has a cold?
(どうやってミイラが風邪をひいているかわかる?)
答え



3.近い音を持つ語を使うなぞなぞ
まったく同じ音ではなく近い音がカギになっているタイプです。 この手は英語圏の人間に何が似た音に聞こえるのか知ることができ興味深い研究対象(?)になります。 例えば rich (金のある)と witch (魔法使い)が同じように聞こえるために([r]と[w]は半母音) What do you have if you cross a witch and a millionaire? (魔法使いと百万長者を交配すると何になる?)の答えが A witch (rich) person. となります。 
日本語は世界でも少数派の[r]と[l]の区別をつけない言語で, そのせいで日本人は語学の面でハンディを負っていますが, [r]と[l]の区別をつける言語を話す人でもこの二つは似て聞こえるようで What did the astronaut see in the skillet? (宇宙飛行士はフライパンの中に何を見た?)の答えが He saw unidentified frying [flying] objects. (未確認の揚げ物[未確認飛行物体]を見た)となるなぞなぞが存在します。


では他の例を。  なぞなぞというよりジョークから。
A が出題者 B が回答者の役をしている漫才の一場面として読んでください。
例7: 
A: How much is 5Q and 5Q?
(5Qと5Qを足すといくつ?)
B: 10Q.
(10Q。)
A: You're welcome!
(どういたしまして。)
回答者の 10Q を Thank you. と言ったものと解釈し出題者が You're welcome. (どういたしまして)と応対してとぼけているというもので, 英語のわかる気の利いた日本人(もちろん英語がわかれば人種は問いませんが)に対して出題してみるとおもしろいでしょう。


こちらは私のオリジナル。
例8: 
What is the country where they always ask you about your ability?
(あなたの能力についていつも質問する国はどこ?)
答え



4.homograph(同綴意義語)を使うなぞなぞ
homograph(同綴意義語)は mine (「私のもの」と「鉱山」)や well(「上手に」と「井戸」)のように同じ綴りで別の意味を複数持っている単語です。 狭義には語源が異なり偶然綴りが同じために起きたものを指しますが, ここでは広く一つの単語を複数の意味で解釈することで成立するなぞなぞということにします。 


例9: 
Why should we not trust a man in bed?
(ベッドの男を信用すべきではないのかなぜ?)
答え


例10: 
What kind of clothes do lawyers wear?
(弁護士はどんな服を着る?)
答え



5.綴りの一部に別の単語の音や綴りがある語を使うなぞなぞ
selfish (わがままな)と fish (さかな), pressure (圧力)と sure (確かな), spy (スパイ)と spicy (香辛料が効いている)などを見ればおわかりでしょう。 この中には trilogy (三部作)と tree (木)のように音や綴りが似ているものも含みます。


例11: 
What pet is always found on the floor?
(いつも床にいるペットは何?)
答え


例12: 
Who judges pie contest?
 (パイのコンテストで審査員をするのはだれ?)
答え



6.慣用句や連語・熟語を文字通りの意味に解釈するなぞなぞ
「どしゃ降りの雨が降る」を英語では It rains cats and dogs. というのはよく知られています。 (世界の土砂降りの雨についてはここをクリック) これを使うと When is a vet busy? (獣医さんが忙しいのはいつ)というなぞなぞができます。 答えは When it rains cats and dogs. (雨がどしゃぶりのとき=猫と犬が空から降ってくるとき)。 


かなり凝ったものに名句を使うものもあります。 What is the best advice to a rookie?  (新人野球選手への一番よいアドバイスは何?) の答えは If you don't succeed at first, try the second base. これは If at first you don't succeed, try try again. (最初うまくいかなかったら, 何度も何度もやりなさい) という名句をもじったもので, you don't succeed at first を 「最初うまくいかない」と「一塁でうまくいかない」の意味にし, 「二塁をトライしてみよ」と結んでいるのです。 これは答えを出すというより「なるほど」と感心するためにあるようななぞなぞですね。


ではこのカテゴリーの例をいくつか挙げてみましょう。
例13: 
When is the moon the heaviest?
(月が一番重いのはいつ?)
答え


例14: 
Why does a chicken lay an egg?
(なぜニワトリは卵を産む?)
答え


例15: 
How do you know if the soda is good or not.
(どうやってソーダがうまいかどうかわかる?)
答え



7.アルファベットや英語の綴りを使うなぞなぞ
日本語の語呂合わせと同じようにアルファベットで単語やフレーズを作ることができます。 例えば ERG は energy , EZ2C は easy to see というように。 これをなぞなぞに使ったのが次の例。


例16: 
What Roman numeral can climb a wall?
(壁をよじ登れるローマ数字は何?)
答え


次は一見深遠ななぞなぞですが答えはばかばかしいのです。 
例17: 
What is the end of eternity?
(永遠の終わりは何?)
答え



8.異なる品詞を持つ語を使うなぞなぞ
英単語は一つの単語が名詞だったり動詞だったりと複数の品詞を持つことが多いことを利用するなぞなぞ。 よくあるパターンが下の例です。


例18: 
What is the easiest way to make a cabbage roll?
(キャベツ・ロールを作る一番簡単な方法は?)
答え



9.相違点や類似点対を使うなぞなぞ
What is the difference between A and B? (AとBの違いは何?)や How is A like B? (AはBとどのように似ている?)のパターンになっているなぞなぞです。 前者の場合, A と B の語の音や文字を逆にしながら何かしらの関連性を持たせていてかなり高度ななぞなぞです。


例19: 
What is the difference between a bus driver and a cold?
(バスの運転手と風邪の間の違いは何?)
答え


最後は考えさせるなぞなぞです。
例20: 
Why is the world like a faulty jigsaw puzzle?
(なぜ世界は不完全はジグソー・パズルに似ている?)
答え


今月のなぞなぞ