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z093 (09月06日) 衣類を使う慣用句(2)


roll up one's sleeves 「本気で仕事に取り掛かる」


直訳: 袖をまくり上げる
例文: I think it's time for you to roll up your sleeves and get to work.
そろそろ本気を出して仕事に取り掛かるときじゃないかな。


roll up one's sleeves を単独で使うほか, 例文のように and +句 や for +名詞 を続けることも多いようです。


気を入れて仕事に取り掛かるときにシャツの袖を捲り上げるというのは人類共通の儀式のようなもので次のように多くの言語でも同じ慣用句を持っています。


フランス語 retrousser ser manches 袖を捲り上げる
イタリア語 rimboccarsi (tirarsi su) le maniche 袖を捲り上げる
スペイン語 recogerse las mangas 袖を捲り上げる
ドイツ語 die Ärmel hochkrempeln 袖を捲り上げる
オランダ語  de handen uit de mouwen steken 袖から手を突き出す
デンマーク語 smøge ærmerne op 袖を捲り上げる


多くの言語は「袖」の語源には「腕」や「手」との関連性が見えます。
(例) ドイツ語の Ärmel やデンマーク語の ærme  スウェーデン語の ärm は 「腕」(英語の arm )から フランス語の manche や イタリア語の manica , スペイン語・ポルトガル語の manga ルーマニア語の *maneca (正しい表記ではありません) ギリシャ語の μανικι  はラテン語の mano 「手」から ロシア語の РУКАВ チェコ語の rukáv ポーランド語の *rekaw は「手」から
しかし英語の sleeve は「腕」や「手」といった体の部位ではなく, 腕を袖に通す動作から来ているようです。 それは, 古英語の sliefan 「服を着る」 中世低ドイツ語の sloven 「だらしなく着る」や, さらに現代英語の slip 「さっと着る:女性の下着」に通じる印欧祖語の *sleubh- 「すべる」で, 「腕をすべらせて通すもの」という意味が sleeve の根底にあるようようです。