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アイスランド語独学ノート 

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私の持っているアイスランド語の参考書・辞典  


【参考書・語学書】
1. エキスプレス・アイスランド語(横山民司/白水社)
2. Teach Yourself Icelandic Complete Course Audiopack (Hidur Jónsdóttir/McGraw-Hill 2004)
3. Colloquial Icelandic: Complete Course for Beginners (Daisy Neijman/Routeledge)
4. Learning Icelandic - Basic Textbook and a CD(Auður Einarsdóttir など)
5. Icelandic: Grammar Texts Glossary (Stefán Einarsson/The Johns Hopkins University Press 1994)

6. Teach Yourself Icelandic (P.J.T.Glendening/The English University Press 1966) 絶版
【語彙集・辞典】
7. アイスランド語基礎1500語(森信嘉/大学書林 1996)
8. Íslensk-ensk orðabók (Sverrir Hólmarsson/Iðunn 1989)
9. Ensk-íslensk skólaorðabók (Jón Skaptason/Mál og menning 1998)


1,2,3,5,7 は Amazon.co.jp から購入可能です。 
6は絶版です。 しかしアメリカの Amazon.com の Marketplace で購入可能であることが多いです。トップページの検索窓に icelandic glendening  と入れるとヒットします。 
4はアイスランドのオンラインショップ Icelandic Internet Shopping Center から購入可能です。 私の場合,申し込んでから5日で来たのには驚きました。 
8と9はアイスランド大学内の書店 Boksala  Studenta から購入可能です。 メールで問い合わせてください。 



                        



キスプレス・アイスランド語(横山民司・白水社)
 購入するならこちらから


【浅く広く知識を求める学習者向け】
アイスランド語のように活用変化の種類が多い高度に文法的な言語を初心者向けに少ないページ数の中でまとめるのは大変だと思います。 おまけに接続法現在や条件法まで一通り触れています。 こうなるとどうしても入門段階から名詞の格変化表や動詞の変化表を織り交ぜて行くしかないでしょう。  各課のアイスランド語のテキスト文が初心者向けにしては高度過ぎるし, 練習問題も語形変化を完成や作文が中心なのでかなり難しい印象を持ちます。 一言で言えば進めて行くには根性が要る入門書と思えます。

 
CD(以前はカセット)に録音された音声が聞きづらいのも難点。 アナウンサとか声優ではなくふつうの人の発音を聞くのはそれなりに意義がありますが, しかしもう少し聞き易い発声ができる人はいなかったものでしょうか。 特に女性の方は声が小さく不明瞭です。 ちなみにアイスランド大使館のアイスランド語の教材案内にはこの教材のアイスランド語は「非常に暗い」と書かれています。 


一般の書店で現在手に入る日本語で書かれた唯一のアイスランド語の入門書として貴重な存在であることに変わりはありません。 英語がある程度わかるなら, これと下にある英語による学習書を組み合わせると効果的だと思います。


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Teach Yourself Icelandic Complete Course Audiopack (Hidur Jónsdóttir/McGraw-Hill 2004)
 購入するなら こちらから (CDつき)   (CDなし)


【英語を解する初学者向け。 お買い得。 しかし物足りない】
上にも書きましたが, 高度に文法的な言語を学習するにはどうしても変化表を暗記する作業を伴ないます。 アイスランド語の場合, 変化表が異常なほど多くなるため挫折してしまうのです。 その点, この本は変化表を覚えなくてはいけないという強迫をしていません。 15課からなるレッスンのうちの8課目にしてようやく規則動詞の現在形と過去形の変化表があり, 9課に人称代名詞の変化表があり, 10課に男性名詞の定形の変化表があります。 つまり活用変化はテキストの半分くらい進んでからやっと登場するということです。


日常のふつうのアイスランド語会話(観光用会話ではなく)を通して, 少しずつ文法事項を増やしていく形をとっているので楽です。 さらに携帯電話をアイスランド語では gem-sími または gemsi または farsími と言うが, 日常では少なくとも若者の間では gemsi が一般的だ― と言った新しい情報も多く入っています。 アイスランド語というと日本の平安時代からほとんど形態が変わっていない言語として有名なため, このような新しい情報は新鮮です。 


またちょっとした広告やカードなど実際に使われているアイスランド語やパズルなどを練習問題に入れて学習者の興味を引くように工夫しています。


なお筆者によるとアイスランド語は方言がないが, しいてあげると「若者方言」とも言うべき社会方言は存在するそうで, 随所に若者の間で使われている語・表現の注釈があります。 また単語の使用域についても注釈があることがあります。 たとえば P.J.T.Glendening版の Teach Yourself Icelandic では第1課にいきなり変化表が出てくる「母親」と「父親」 móðir  faðir  はフォーマルな単語であると注釈を入れ, この Hidur版ではもっぱら一般的な mamma と pabbi を使っています。


アイスランド語は発音と綴りの関係が難しく, 規則を覚えきれないところがあります。 この Hidur版ではまず大雑把に発音と綴りの関係を記した発音のページを設け, 他の規則は各課に出てくるたびに説明する姿勢をとっているので負担になりません。 ただし完璧ではありません。


しかし不満な点もあります。 巻末の単語リストを見ても性の区別や活用変化の目安がわかりません。 ただ単語と意味しか記されていないのです。 文また活用変化表が各課に散在していて参照しづらいのは欠点です。 


また扱っている文法の範囲が初級段階までで他の教材で埋め合わせをしなくてはいけません。 たとえば接続法や条件法や比較などは扱っていません。 また文法になるべく触れないというスタンスのため進んで行くうちにどうしてこの語はこの形になっているのだろうなど疑問に思うことがたびたび出て来ます。  


なお Teach Yourself シリーズは本だけ, CDだけ, カセットだけ, 本とCDまたはカセットの組み合わせなど種類がいろいろあり, おまけに日本ではイギリス版とアメリカ版の両方が売られており(同じ本なのに表紙が違うこともしばしばある)購入する時は注意してください。  私が購入したのはCD2枚つきの本 です。 録音の会話は Colloquial Icelandic より生き生きしています。
■ 購入するならこちらから (CDつき)   (CDなし)


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Colloquial Icelandic: Complete Course for Beginners (Daisy Neijman/Routeledge)
 購入するならこちらから(CD&カセットつき)


【入門書というには中身が濃く中級に近い】
英語で書かれた外国語の入門書として Teach Yourself シリーズと並んで有名なのが Colloquial シリーズ。  アイスランド語に関して言えば Teach Yourself Icelandic よりも程度が上で接続法も含めほとんどすべての文法事項を網羅しています。 その分, 進め方が雑で学習者が挫折する可能性を秘めています。


例えば第1課の最後に Reading と称してアイスランドの家族についての文章があります。 そこにはこの課で扱う文法事項ではないのに名詞の所有格や第3人称単数形の所有形容詞 hans や hennar が出て来ます。 このうち hennar は語注にありますが hans はありません。 巻末の語彙リストを見てもありません。   したがって初めてこの本でアイスランド語を勉強する学習者はこれが何であるのかわからないことになります。


各課には Reading がありますがこれが録音されていないのは残念です。 また各課の対話にせよ Reading にせよ exercise にせよ語彙を巻末のリストを見て調べなくてはいけないのは面倒くさがりな学習者にはつらいかもしれません。 実は単語リストに掲載されていない語がけっこうあります。 他の言語のColloquial シリーズも持っていますが, やはり単語リストに掲載されていない語が使われていることがあり, これがこのシリーズの欠点であるように思えます。 ただ巻末の語彙集は辞書並みに性の別や語形変化の印がある点では Teach Yourself より優れています。 


Teach Yourself シリーズと同じくテキストだけ, CDまたはカセットテープだけなどの選択ができます。 私の持っているのはCDとカセット両方が付いているバージョンで ISBN:0-415-20708-8 です。 できれば音声教材付きの方が良いでしょう。  録音は男性2人, 女性1人によるもの。 棒読み調であまり聞いていて楽しくはありません。


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Learning Icelandic - Basic Textbook and a CD(Auður Einarsdóttir など/Mál og menning)
 購入するなら こちらから


【基礎アイスランド語を身に付けるならこれ。 ただし本質的には教室向け】
アイスランドの出版社が出している英語が分かる外国人向けのアイスランド語入門書。
会話中心のテキストが60ページほど。 ついで語彙集が13ページ(語には品詞や活用変化の注あり)。 そして最後の60ページほどは文法の説明になっています。 ただし扱っている文法の範囲は狭く, 動詞で言えば, 直説法現在と過去それに未来だけで, 完了時制や接続法は扱っていません。


日本の中学校の英語のテキストとかなり似ています。 本来はクラスで使う教材なのでしょう。 まったくアイスランド語がわからない学習者がこれ1冊を独習書として使うのは難しいかもしれません。 なにしろふつう発音と綴りから入るのにこのテキストはそれがありませんから。 


文法はごく基礎的な部分しか触れていませんが, その代り具体的に名詞や動詞をふんだんに挙げてそれぞれの変化形に慣れるようにしているところは優れています。  付属のCDに収められているアイスランド語はかなり速くまた自然です。 他のリスニング教材を聞いてもそうですが, アイスランド語はリスニングの困難な言語であることがわかります。


このテキストには別冊で Grammar Exercises という問題集もあります。 これは本来別個で売られているものなのかもしれませんが, 私の場合, これもいっしょに送られてきました。 文に空所がありそこに与えられた語の正しい変化形を入れて行くという形式で, いわゆるドリル練習です。 もしこれに音声があれば完璧なLL教材になるところです。


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Icelandic :Grammar Texts Glossary (Stefán Einarsson/The Johns Hopkins University Press 1994)
購入するならこちらから


【中級から上級者向けの格調の高い語学書。 読むアイスランド語。】
初版は1945年。 畏れ多くてなかなか読み進められない語学書です。  もし語学書に何か賞があるとしたら, この本は何かしらの賞を受賞していておかしくありません。 このずっしりと重い本(900gあります)を捲って, 筆者の並々ならぬ執筆の熱意を感じない学習者はいないでしょう。 


36ページに及ぶ preface, topical index, bibliography, contents of grammar などのあとようやく発音の解説に入ります。 これだけでも31ページあります。 そして73ページの inflexions と82ページの syntax の GRAMMAR のセクションのあと, 113ページの TEXTのセクションがあります。 ここには歴史を感じさせるイラストが数枚あり, 心和みます。 GLOSSARY は200ページあり, これだけでもこの本を買うだけの価値があります。


初めてアイスランド語を勉強する学習者向けではなく中級者向けのテキストです。 ただし初版から60年以上経ち判を重ねている本なので記述内容が現代に合っていないところがあるかもしれません。 また古い活字である上に, 印刷にむらがあって読みづらい印象を私は持ちました。  


外見の方はペーパーバックながらその厚さと知的なデザインから本棚に入れておくと格好が良いです。  なお音声はリンガフォンから発売されているようですが万札が何枚も必要な値段です。


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Teach Yourself Icelandic (P.J.T.Glendening/The English University Press 1966) 絶版
 
購入するなら Amacon.com や Abebooks の検索窓に Teach Yourself Icelandic , Glending と入れて探してください。


【文法のまとめ。 ある程度の知識があるとこの本の良さが分かる。 しかし古い】
外国語の勉強に熱心だった1970年代に私が初めて買ったアイスランド語の参考書がこれで, 現在は絶版になっています。 


LESSON1 よりいきなり男性名詞の強変化の変化表が8つ, 女性名詞の強変化の変化表が1つ, 中性名詞の強変化の変化表が2つ出てきたあと, 42個の名詞(性の表記なし)を変化させよ, という練習問題があります。 これからわかるようにとても入門書と言える代物ではありません。 すでにアイスランド語を知っている学習者が復習とまとめとして利用する「活用変化表」とでもいうべきものですし, そのような使い方をする分には非常にコンパクトにまとまっているので悪くありません。 事実, 私は, 上記の学習書でアイスランド語を勉強してからは, この本をよく参照するようになりました。


しかし内容は古いです。 たとえば「あなたは」は現在, 初対面とか外国人とか関係なく þú を使っているのにこのテキストは þér を使うことを推奨しています。 また文語的な定冠詞 hinn の変化表が早いうち(6ページ)から出て来ます。  これは覚えなくてはいけない― という気にさせますが, しかしインターネットを見ているとまずほとんど定冠詞 hinn  は見かけません。 また所々昔の表記法の -s-が -z- になっていたりします。 




語彙集(英語=アイスランド語 15ページ,  アイスランド語=英語 34ページ)は比較的充実しています。 またイディオム集, ことわざ集など初級アイスランド語の学習書ではお目にかかれない付録もあります。 音声教材はありません。


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イスランド語基礎1500語(森信嘉/大学書林 1996)
 購入するならこちらから


【案外英語版ではこの手の語彙集がなく貴重な存在】
アイスランド語の辞書は適当なものが手に入りづらい状況です。 仮に辞書があっても活用変化の面倒くさいアイスランド語は辞書の見出し語の形に直せないと引くことができません。 とりあえず基本的な語の変化を固めておいた方が辞書を求めるよりも賢明でしょう。 活用形から見だし語が推測しづらい語も出ていますし, 前置詞や動詞の格支配も記載されています。 ただし発音の表記はありません。 巻末には索引として日本語ーアイスランド語リストもあります。 


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Íslensk-ensk orðabók (Sverrir Hólmarsson/Iðunn 2004)
 
購入するなら Boksala  Studenta にメールで問い合わせてください。 英語可。


【外国人向けのアイスランド語=英語辞典ならこれ】
アイスランド語→英語辞典。 英語名は Concise Icelandic English Dictionary 。 アイスランド語を学習する英語を解する非アイスランド人向けの辞書として最も定評があるもののようです。 個々の名詞や動詞の活用変化の指標もあるし, 活用形がもとの形と大きく異なる場合は, そのもとの形を参照できるようにしていて親切です。 同意語も記載してある場合があり語彙力を増すのに役立ちます。
欠点は発音表記がないことと語彙数が満足するほど多いというわけではないことです(複合名詞はあまり期待できません)。 


実はオンラインでこの辞書を使うことができます。 しかも無料で。 詳しくはここをクリック


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Ensk-íslensk skólaorðabók (Jón Skaptason/Mál og menning 2004)

購入するなら Boksala  Studenta にメールで問い合わせてください。 英語可。


【こんなものなのかなあという感じの英語=アイスランド語辞典】
英語→アイスランド語辞典。 タイトルから見てアイスランドの学生が使う辞書なのでしょう。 見出し語36,000語を含む50,000語の定義が載っているようです。 Internet とか website とか e-mai などの今の時代なら普通の単語が載っていないのが残念です。
また英語の例文にアイスランド語が出ていないことが多いです。 例えば「映画を見に行く」 go to the movies をアイスランド語でどいういうのか movie で引くと movie 自体の意味は kvikmynd, bíómynd と出ていますが肝心の go to the movies は They're going to the movies という例文だけでそれに対応するアイスランド語は載っていません。 


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【まとめ― 私の場合】


アイスランド語の学習はともすると頭でっかちになってしまいがちです。 頭で文法を理解し暗記してしまうのです。 その典型がP.J.T.Glendening のTeach Yourself Icelandic でしょう。 私はこれで勉強を始めて失敗しました。 今から30年以上前にはこの本しかなかったからしょうがないですけれども。


そのうちに日本語でもアイスランド語の語学書が出ましたが(例:アイスランド語文法 森田貞雄/大学書林,1981)専門家向けの古いアイスランド語の語学書で図書館で借りて読んだだけで購入しませんでした。 だから白水社からエキスプレス・アイスランド語が出たときはかなり期待しました。 これは再びアイスランド語を勉強する気にさせましたが, それでも夢中にさせるというほどではありませんでした。 やはり難しいのです。 そしてタイトル通り急行列車で一通りの文法事項に触れているので頭でっかちの語学であることには変わりありません。 やがてアイスランド語への関心はまたもや消えて行きました。


こうして北極圏の冬のような長いブランクがあったあと, ネットサーフィンでアイスランドの風景写真を見て再びアイスランド語というよりアイスランドへの憧れが頭をもたげて来ました。 あることに夢中になるとそれ一筋になる性分である私は次々と上記のような学習書を注文し始めました。


まずは定評のある Stefán Einarsson の Icelandic: Grammar Texts Glossary をオンラインで買いました。 これは勉強意欲をそそるのに十分なテキストですが, その緻密で高度な内容と美しく古風な造りから, もっぱら本棚にしまって置く語学書となってしまいました。 (この本を読み進めて行ける知識を身に付けるのが私の初級アイスランド語の目標でした。)


アイスランド語の学習に見栄はいけません。  多少知識があるだけで結局頭でっかちなままのアイスランド語を変えたのはHidur Jónsdóttirの Teach Yourself Icelandic でした。 これで始めてアイスランド語が「9世紀以来の古い形を維持しているサガ文学の書き言葉」ではなくなりました。 生きているアイスランド語を知ったのです。 たとえ古い言語でも文法だらけの言語でもまず今の時代に実際に話されている言葉として勉強することが大切なのです。


とは言っても Hidur の Teach Yourself Icelandic だけでは物足りず, かと言って Icelandic: Grammar Texts Glossary では敷居が高い。 それで買ったのが Colloquial Icelandic と Learning Icelandic。 このうち Colloquial Icelandic は思った以上に中身が濃くレベルも高くしっかり腰を据えて進めていくべき学習書であり, Learning Icelandic はアイスランド語の基本をカラダで覚えようという学習書であることがわかりました。   どちらも捨てがたくまた学習意欲をそそる良い語学書です。 


結局こうして, 私は語学書の類で6冊も買ってしまったのですが, それぞれ長所と短所を持っていてうまく補完し合って, 世界最難言語の1つを独学する手助けになってくれています。 


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