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| zz08 | No, Woman, No Cry (Bob Marley And The Wailers) ノー・ウーマン・ノー・クライ (ボブ・マーリィとザ・ウェイラーズ) 〜 The Lyceum のライブより〜 |
1975 | |
| 歌詞(原詞・訳詞) | |||
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| ボブ・マーリィはレゲエを世界に知らしめたミュージシャンとしてあまりにも有名です。 今更ここで「ボブ・マーリィは1945年2月6日ジャマイカ中北部セント・アン生まれ。 父親はイギリス人の海軍大佐, 母親は黒人ジャマイカ人。 10歳の時父親が死亡, 母親とともに首都キングストンのトレンチ・タウン地区に移住し後にザ・ウェイラーズのメンバーとなるバニー・リビングストンと知り合う―」というように彼の経歴を書くのはここでは控えます。 検索すればこの英語塾の付録のコンテンツよりもよほどよい解説がありますから。 ここでは『ノー・ウーマン・ノー・クライ』について少し触れておくに留めます。 これは訳すの難しい歌です。 それは文法が難しいとか単語がわからないという意味ではなく, これがボブ・マーリィに執心するファンにとって聖書やコーランと同じ意味合いを持つものであり, ちょうど聖典の解釈を巡って派がわかれるように, この歌の解釈を巡って, 曰く「これは奥さんのリタに捧げた歌だ」とか「いや女に限定せず人間すべてに対して歌っている」とか「この Woman はジャマイカを暗示しているのだ」といいう具合にかまびすしい議論があることを考えると, ボブ・マーリィやジャマイカ音楽についていわば「一見(いちげん)さん」的な立場にある私としては歌詞を訳すのはチト気がひける―という意味です。 しかし歌詞の解釈を別にして, この歌はボブ・マーリィ教の信者さんでなくても心惹かれるものがあります。 ちょうど旅先で荘厳な寺院なり教会なりモスクなりを見て, 「おお」と感嘆の声を発するようなものです。 特にボブ・マーリィが今は亡き人であることを思うと, その歌詞はそれこそ予言書を思わせ鳥肌が立つとともにドライアイ気味の目がちょっと潤んでしまいます。 彼自身はラス・タファリ運動(ジャマイカの黒人を神に選ばれた者とするアフリカ回帰運動を唱える宗教運動)の信奉者で多くの信者から預言者と見なされているようです。 なおこの歌が出た2年後の1977年右親指に黒色腫(皮膚ガン)であることが判明。 足の切断手術を勧められますが拒否。 結局ガンが肺, 胃などに転移ししばしば倒れるものの音楽活動を続けます。 しかし1981年5月11日ドイツからジャマイカに帰る飛行機上で具合が悪くなりマイアミで降り病院に緊急入院しますがそこで帰らぬ人となりました。 故郷近くの教会の地下室でギプソン・レス・ポール, サッカー・ボール, マリファナの蕾, 聖書とともに眠っています。 この曲の作者はボブ・マーリィですが, 彼が不遇だった時代に助けてくれた友人の Vincent Ford の作とし, 印税が渡るよう配慮したと言われています。 ジャマイカの首都キンングストンは人口66万人(2004年)。 写真(イメージ検索)で見るとそこそこの都市景観を持っています。 その中心部にこの歌に出てくるトレンチ・タウンがあります。 Wikipedia によれば1951年のハリケーンの被災者に不法占拠されていたのを政府が再開発した地域で, 地方から上京したものたちの受け皿として発達したスラム街のようです。 建物は1階から2階建てで, それらは共同炊事場や水道のある中庭(courtyard)を囲む形で建てられているようです。 おそらく歌詞にある government yard というのがこれなのでしょう。 ジャマイカは2大政党(人民国家党とジャマイカ労働党)が激しく対立しており1970年代はたびたび銃撃戦を含む抗争が起きました。 地区によって政党の勢力が違い, トレンチ・タウンは人民国民党の支配下にあり, 隣接するジャマイカ労働党の支配下にあるリマ地区と対立して内戦に近い状態になりさらにドラッグの売買が絡みトレンチ・タウンは z30で触れた シカゴのカブリーニ・グリーンのような悪名高い地区となリました。 歌詞には「偽善者が善人に混じっている」という一節がありますが, これはジャマイカの政治風土を暗示しているように思えます。 なお90年代から国家的なプロジェクトでトレンチタウンの住民の教育や福祉の向上に力を入れ, 現在は生活環境の改善が見られ犯罪発生率も大幅に減少したそうです。 音声ファイルはロンドンの The Lyceum Theatre (イメージ検索)でのライブ盤からのものです。 奥さんを含む女性コーラスもよいですが, それに劣らないのが観客のバックコーラス。 ボブ・マーリィの歌詞やメロディとずれるのですが, これがまたサッカースタジアムで聞こえるサポータたちの歌声を思わせいい感じを出しています。
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