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ze27   【EUROPEAN POPS SERIES】 
  Come prima  (Tony Dallara)
  コメ・プリマ  (トニー・ダララ)  
1958
  原詞・訳詞 
『コメ・プリマ』は『夢見る想い』『雨』のマリオ・パンゼリ(Mario Panzeri)の作品。 クレジットによるとパンゼリは『コメ・プリマ』では作詞家, 『夢見る想い』では作詞・作曲家, 『雨』では作曲家となっています。 
以上3曲の正確なクレジット
『コメ・プリマ』 作詞 Mario Panzeri  作曲 Alessandro Taccani, Enzo Di Paola
『夢見る想い』 作詞 Mario Panzeri, Giancarlo Colonnello 作曲 Mario Panzeri, Giancarlo Colonnello, Nisa
『雨』 作詞 Daniele Pace, Gianni Argenio 作曲 Corrado Conti, Daniele Pace, Mario Panzeri 



今流行りのラップの冗長な歌詞と比べると半世紀前の時間の隔たりを感じさせるえらく短い歌詞です。 そしてゆったりしたバラード。  今聞くとやはり古いという印象はぬぐえませんが, 1958年のサンレモ音楽祭に参加したときは革新的な歌だったのです。 


マリオ・パンゼリは1940年代から活躍していた作詞・作曲家ですからおそらく自信を持ってこの曲をサンレモ音楽祭エントリーしたでしょう。 しかし審査員からは不評で本選で歌われる20曲の選曲から漏れてしまいました。 これはトニー・ダララの歌い方が気に入られなかったためです。 この年のサンレモ優勝曲はドメニコ・モドゥーニョの『ボラーレ(Nel blu dipinto di blu)』。 ベルカント唱法こそカンツォーネの時代を引きずっている審査員たちには, (今聞くとどこがそうなのかわからないながら)トニー・ダララの「泣きの入ったシャウト唱法」は嘲笑の対象であったようです。


しかし1950年代から60年代始めはロカビリーの時代。 日本と同じく敗戦によるアメリカ進駐軍の影響もありイタリアの若者たちは「アメリカ物」に敏感で, トニー・ダラダにプラターズのトニー・ウィリアムズを, 『コメ・プリマ』に『オンリー・ユー』を重ね支持します。 結果として『コメ・プリマ』はイタリアはもとより世界中でヒットしスタンダード化され, 新しいイタリアの大衆音楽の方向性を決める革命的な歌となりました。


なおサンレモ音楽祭の選曲に漏れたトニー・ダララはその2年後の1960年に リベンジに成功, Romantica で優勝しました。 他にTi diro (1958)  Julia (1959) Ghiaccio bollente (1959)  Bambina bambina (1961)などのヒット曲があります。