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z39    99  (Toto)
 99  (トト)  
                                 
1979
vs
 One   (Three Dog Night)
 ワン (スリー・ドッグ・ナイト)
  付:Old Fashioned Love Song  
    オールド・ファッションド・ラブ・ソング 1970
1969
vs
500 Miles (Peter Paul & Mary)
500マイル (ピータ・ポール&メアリ)  
1962
99   原詞・訳詞 
ワン   原詞・訳詞
オールド・ファッションド・ラブ・ソング     原詞・訳詞
 500マイル  原詞・訳詞
今回は数字対決。 数字を織りこんだタイトルはレン・バーリの『1-2-3』, 1910フルーツガム・カンバニーの『1-2-3 レッド・ライト』,  アドリアーノ・チェレンターノの『2万4千回のキッス』やディッキー・リーの『9,999,999の涙』などがあります。 今回は60年代初め, 60年代末, 70年代末とほぼ10年の間隔を置いた3曲による三つ巴の戦いです。!


           


【Toto について】


Toto はロサンジェルスのスタジオ・ミュージシャン達, デヴィッド・ペイチ(David Paich), スティーブ・ルカサー(Steve Lukather), ボビー・キンボール(Bobby Kimball),  スティーブ・ポルカロ(Steve Porcaro), ジェフ・ポーカロ(Jeff Porcaro),  デヴィッド・ハンゲイト(David Hungate) が1977年に結成したバンド。


Toto がデビューしたときバンド名が便器の東陶から来ているという噂がありました。 私はそれを信じ世界に広がる日本企業の躍進ぶりに軽い誇りを持ちました。 が, それは誤りで Toto は映画『オズの魔法使い』の主人公ドロシーの同名の飼い犬から来ているというのが正解。 イメージ検索  まだバンド名がないときにメンバーの1人がデモ・テープに記したのをのちに正式にバンド名にしたもので, コカ・コーラのように全世界の言語で発音できること, そして犬の Toto 自体の語源であるラテン語の「すべてを含む物」が, バンドがあらゆるジャンルの音楽を演じるという意味に通じることから採用されたそうです。 
ついでながら toto はアフリカのある言語では女性の身体の一部を指すそうです。



           


【99について】


Toto の語源がわかったところで今度は『99(ナインティ・ナイン)』とは何か。 もちろんお笑いコンビでもなければ生鮮食料品も売っている百円ショップ『ショップ99』でもない。
前者のコンビ名の謂れは「吉本 総合芸能学院(NSC)の第9期生であったことから9を二つ重ねて命名したと公には答えているが,実際にはそうではなく詳しく答えるのが面倒でそういうことにしている」のだそうです。 後者の謂れは言うまでもありません。 ここでは『ショップ99』や他の店でも売っている私のお気に入りをご紹介しましょう。 アンディコの無添加のカスタード・プリン極(KIWAME)メイトーの卵と牛乳で作ったなめらかプリンの2品。 添加物が少ない分, 味がよく安心。 そして安い。 オススメ品です。


Toto の『99(ナインティ・ナイン)』とは1960年代後半に放映されていた『それ行けスマート(Get Smart)』の女性情報部員99号のことだそうです。 
99号ことバーバラ・フェルドン(Barbara Feldon)のイメージ検索
 



そういうつもりで歌詞を読むと


   I never thought it would happen
   I feel quite the same
   I don't want to hurt you anymore
   I never knew it would work out
   No one to blame
   こうなるなんて思ってもみなかった。
   気持ちは全く同じだ。
   これ以上君を傷つけたくない。
   こうなるなんて思ってもみなかった。
   誰のせいでもないよ。


というくだりは, どうやらドン・アダムス演じるドジな情報部員82号がまた何かへまをしてしまい, 99号が頭を振りながら天を仰いで「スマート, またやっちゃったのね」と言う姿が思い浮かびます。 そしてそのあと


    You know I love you
   99
   ね 君が好きなんだ
   99号。


と仕事の合間にドサクサ紛れに口説いている82号のまじめな顔― ありえそうなシチュエーションです。


ここで You Tube より『それ行け! スマート』のクリップを2つ。
まずオープニングから。 そしてちょっと長めな Sacred Cow のエピソード 。 同ページにある掲示板のカキコミによると Sacred Cow はスタジオ・ミュージシャンが演じておりそのうちベースはシカゴのベーシスト・ジェイソン・シェフのお父さんのジェリー・シェフだそうです。


なお主役の82号を演じたドン・アダムスさんは2005年9月25日に肺感染症のためロサンジェルスの病院で逝去したとのこと。 享年82歳。 


           


【スリー・ドッグ・ナイトについて】


Toto, 99に続いてスリー・ドッグ・ナイトの名の謂れ。 これは比較的有名ですね。 オーストラリアの原住民(アボリジニー)は寒いときに布団代わりに犬といっしょに寝る習慣がありその犬の頭数が寒さを表す単位なっているそうです。 それで Three Dog Night は「3匹分の犬が必要な寒い夜」という意味になる訳ですが, アラスカなど北極地方でも同じようにいっしょに寝る犬の頭数で寒さを表す単位になっていると或る語源サイトに書かれていました。 
Three Dogs Night ではないのは数字+単位が名詞を限定するときはその単位は単数形にするという規則から(例: three-year-old boy)。 また Three Dog Nights ではないのは「(犬3匹分の寒さである)一晩の夜」だからです。


スリー・ドッグ・ナイトも元はスタジオ・ミュージシャンの集団で, 3人のボーカル(ダニー・ハットン Danny Hutton , チャック・ネグロン Chuck Negron, コリー・ウエルズ Cory Wells)に4人からなるバック・バンド(マイケル・オールサップ Michael Allsup =ギター, フロイド・スニード Floyd Sneed =ドラムズ,  ジョー・シャーミー Joe Schermie =ベース,  ジミー・グリーンスプーン Jimmy Greenspoon =キーボード)のユニット。  


彼らは1969年から74年にかけてヒット・チャートの常連さんでした。 シングルのうち7枚アルバム12枚が100万枚以上売れたゴールド・レコード賞になった文字通りダンヒル・レコードのドル箱スター。  彼らはニルソン, ポール・ウィリアムズ, ローラ・ニーロ, レオ・セイヤなど当時新進のソング・ライターの曲を取り上げヒットさせ彼らの名前を世に広めたことでも功績があります。 


1976年にダニー・ハットンが抜けてさらに翌年ドラッグ問題でチャック・ネグロンが抜けバンドは解散します。 しかし1980年代にダニー・ハットンとコリー・ウエルズで再びバンドを結成, チャック・ネグロンはソロとなってそれぞれ活動をしています。


彼らのヒット・シングル盤  ビルボード最高位と作者
1969年
"Try a Little Tenderness" (#29) - Harold Woods, Jimmy Campbell, Reginald Connelly
"One" ( #5) - Harry Nilsson 『ウィザウト・ユー』の作者・シンガー
"Eli's Coming" (#10) - Laura Nyro
"Easy to Be Hard" (#4) - Galt McDermot, James Rado, Gerome Ragni (ミュージカル『ヘア』より)
"Celebrate" (#15) - Gary Bonner , Alan Gordon.(『ハッピー・トゥゲザ』の作者)
1970年
"Mama Told Me (Not to Come)" (#1) -Randy Newman
"Out in the Country" (#15) - Paul Williams, Roger Nichols
"One Man Band" (#19) -Tommy Kaye, January Tyme, Billy Fox
"Liar" (#7) - Rus Ballard (元ゾンビーズのロッド・アージェントと Argent を結成。 1972年に Hold Your Head Up のヒットあり)
"Joy to the World" (#1) - Hoyt Axton
1971年
"Never Been to Spain" (#5)  - Hoyt Axton
"The Family of Man" (#12) - Paul Williams, Jack Conrad
"An Old Fashioned Love Song" (#4) -Paul Williams
1972年
"Black and White" (#1) - David Arkin, Earl Robinson
"Pieces of April" (#19) - D. Loggins
1973年
"Shambala" (#3) - Daniel Moore
"Let Me Serenade You" (#17) - J. Finley
1974年
"Sure As I'm Sittin' Here" (#16)
"The Show Must Go On" (#4) -  Leo Sayer
"Play Something Sweet (Brickyard Blues)" (#33) - Allen Toussaint


           


【ワンについて】


私はこのシングル盤を買いました。 当時中学生であった私は, 歌詞が学校で習った比較表現でいっぱいであること聞き取れる部分が多かったことから気に入って買ったのでした。 (当時から私はポップスを聞くことと英語の勉強を両立させていたのです。 ゆえにこのようなコンテンツができるのは必然的であります。)


さて手元にある『ワン』の解説を引用すると
 
「ニルソンというまだ23〜4才の若いユニークなセース(ママ)を持ったシンガーが作った曲です。 前作の「トライ・ア・リトル・テンダーネス」のドラマテイックなスタイルから一変して, この曲では, スリー・ドッグ・ナイトの連中かなりおとなしくなってしまいました。 もっとも, 曲自体がシンプルなメロディーで作られているためもありますが…。 でも リード・シンガーは, 一生懸命歌っています。 このシンガーは決して上手なシンガーではないかもしれません。 しかしLPをきいているとよけいはっきりわかりますが, とにかく彼は情熱を持っているシンガーといえます。 なお,この曲は彼らのLPからのカットです。」


ほのぼのとした評が時代を感じさせます。 それとともに無理やり原稿用紙の桝目を埋めた感じもしないでもありません。 もちろんこの前の部分でスリー・ドッグ・ナイトのメンバー紹介や彼らの音楽性について触れていますから, このシングル盤のライナーノーツから情報がまったく手に入らないということではありません。 しかし上記の部分については物足りません。 これは1960年代の終わりはまだ海外からの情報が速くそして十分に入らなかったことを意味するのだと思います。 ネットで世界が瞬時に結ばれる今と比べ隔世の感があります。


肝心の歌詞そのものは中学生のときになんとなく孤独の寂しさを歌った歌であるくらいはわかりましたが, 不明なところもありました。 


Now I spend my time just making rhymes of yesterday 
今は yesterday と韻を踏む語を考えて時間を過ごすだけ


のくだりです。 が, これは今はどういう意味かわかります。  stay とか betray とか survey など[ei]で終わる語をいろいろ考えて暇つぶしをするということです。 妙な暇つぶしですが, あるアメリカ人が自己紹介で lemon と韻を踏む語を考えることが趣味と言っていたのを聞いたことがあるのでこういう時の使い方もあっておかしくないようです。 この歌詞の場合, 恋人と一緒にいた楽しい過去を思い出すことをほのめかしています。 


40年前よりは進歩しているのを知りヨカッタ,ヨカッタ。


           


【500マイルについて】


原曲の作者はアメリカ・ジョージア州出身の女性フォークシンガー, ヘディ・ウエスト(1938-2005)。 父親はアパラチア山脈の石炭鉱山で炭坑労働組合を組織しつつ詩を書いていた人で, 彼女の作品には父親や祖先の出身地であるイギリスの民謡の影響が見られると言われています。 『500マイル』もメロディのルーツはイギリスであり, また歌詞の故郷を離れて遠方の地で働く貧しい労働者を歌う歌詞は父親の影響を思わせます。  なお500マイルはメートル法で表せば約800キロで東京〜福岡または札幌間ほどの距離になります。


『500マイル』は1960年代始めにピーター, ポール&メアリー以外にキングストン・トリオのフォーク調(30秒試聴),  ボビー・ベアのカントリー調(30秒試聴)が発表され, さらに1989年になってフーターズ(The Hooters)という男性5人組のバンドによるポップ調 (30秒試聴)でリバイバルしました。