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z22    The Snake   (Al Wilson)
ザ・スネイク  (アル・ウィルソン)
1968
30秒試聴        原詞・訳詞    歌詞の語注
黒人歌手アル・ウィルソンが歌っていますが, R&B という感じはしません。 どちらかというとこの時代に活躍していたトム・ジョーンズあたりが歌いそうな「白人的なR&B」。
歌詞を知らなくてもなんとなく哀愁があり日本人向けのメロディですので, それなりにヒットしました。 しかしその歌詞は。。。


【作者オスカー・ブラウン・ジュニアについて】


この歌を作ったのは詩人であり作家であり脚本家であり歌手でありエンターテナーでありプロデューサありそして黒人人権運動家でもある, オスカー・ブラウン・ジュニア(Oscar Brown Jr.)で, 彼自身も1963年にアルバム『Tells It Like It Is』に収録しています。


オスカー・ブラウン・ジュニアは1926年シカゴのサウス・サイド生まれ。 父親は弁護士・であり不動産ブローカという恵まれた家庭でした。 15歳で Secret City というラジオ番組デビュ-。 戦後もラジオ局にレギュラー番組を持つタレントでしたが, 1958年,  コロンビア・レコードと契約し, 1960年 Sin and Soul (1960)  をリリースします


歌手オスカー・ブラウン・ジュニアと言ってもピンと来ない方も多いでしょう。 しかしここをクリックして彼の歌を聞けば, この歌なら知っていると思われるはずです。
これはナット・アダレー作曲の『ワーク・ソング』(Work Song)で, これに詞を付けたのがオスカー・ブラウン・ジュニアです。 
『ワーク・ソング』は食料品店で人傷沙汰を起こし強制労働5年の判決を受けた主人公が働けど働けど自由の身になる日はまだ遠い―と嘆く歌。 同じころ日本では美輪明宏さんの『よいとまけの歌』という労働歌が生まれますが, これとは全く違う視点の労働歌です。


Sin & Soul には Bid 'em In (直訳:やつらを競り落とせ)という奴隷売買のオークションを模した口上芸のパフォーマンスがあります。 当時黒人の人権問題が論争を起こしていたことを伺わせる作品であり注目されます。
公民権運動が盛んな50年代後半から60年代前半にかけて30代であったオスカーはこの問題に関心を持ちイリノイ州議員や米国議会議員に立候補をしますが落選します。


彼はその後ミュージカルのプロデュースをしたり, ロンドンでワンマン・ショウを開いたりする一方, 歌手としてディジー・ガレスピー, ジョン・コントレーン, マイルス・デイビス, キャノンボール・アダレーといったジャズメンたちと共演したりします。 また 若手のタレント発掘にも努めジャクソン・ファイブを見出します。


彼のオフィシャル・ホームページ(http://www.oscarbrownjr.com/ )には詩やエッセイがふんだんにあり, 歌手というより作家活動に重点が置かれている印象を持たせます。



              


【歌手アル・ウィルソンについて】


今回は歌手より歌の作者の方ばかり書いてしまいました。 
歌っているアル・ウイルソンの簡単なプロフィールも書いておきましょう。


アル・ウィルソンは1939年6月19日ミシシッピ州メリディアン生まれ。 小さいころから歌が好きで7,8歳のころから教会の合唱団で歌い始め, 12歳のときに家計を助けるためカントリー&ウェスタン歌手になったとか。  高校時代に一家はカリフォルニア州サン・ベルナディーノに引越しますが, ここでも家族のために雑事をして働きます。 一方ドラムを習い始めたのもこのころです。


一時期海軍に所属しますが, 退役後いくつかのバンドを経て, 1966年ジョニー・リバーズの作った新レーベル『ソウル・シティ』とソロ・歌手として契約します。
デビュー曲 Do What You Gotta Do は今一つ振るいませんでしたが, ジョニー・リバースは自身も1966年に歌った『ザ・スネイク』を歌わせたところビルボード最高27位のヒット曲になります。
ソウル・シティ・レコード所属のフィフス・ディメンションは1967年に Up Up And Away が1968年には Stoned Soul Picnic がヒットしていますので, この新興レーベルは幸先良いスタートをしたことになります。  

 
しばらく鳴かず飛ばず状態が続きますが, 1974年に Show And Tell が第1位になる大ヒットとなり, アル・ウィルソンは一発屋を免れました。 そして現在も活躍中です。


歌詞について