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53  Tears in Heaven            (Eric Clapton)
ティアズ・イン・ヘブン        (エリック・クラプトン)
1992
    原詞・訳詞  
ミュージシャンは愛する人が死んだとき, その人の力のすべてを出して作り得る限りで最も美しい曲を作るのではないかと思います。 本来このページは60年代と70年代の曲の訳詞を取り上げるのですが, この曲は特別に掲載しました。


この美しい曲はエリック・クラプトンとイタリア女優ロリ・デル・サントとの間に生まれた4歳半の少年コナー・クラプトンに捧げた曲であることは衆知の事実です。
1991年3月20日午前11時, エリック・クラプトンの46歳の誕生日の10日前,ニュー・ヨークの53階のアパートの窓からコナー少年は落下, 死亡しました。
クラプトンとデル・サントは結婚はしていなかったのですが(クラプトンはジョージ・ハリソンの元妻パッティ・ボイドと結婚していた。), 当時, 二人が会うために彼女はイタリアからこのアパートに, 一方,クラプトンは近くのホテルに滞在していたのでした。
ハウスキーパーの男性が部屋の掃除を終えて換気のために窓を開けておいたところ, 走ってきたコナーが誤って4フィート×6フィート(120×180センチ)の窓から落ちてしまったのです。 ニュー・ヨークの建設基準法では3軒以上のテナントが入っているアパートは窓にガードがなくてはいけないけれど, コンドミニアム(マンション)はこれが免除されているらしく, コナーらのいたアパートには窓にガードがなかったのです。


クラプトンは同年の映画『ラッシュ』のためにこの曲を作りますが, これは未婚の妻が養育権のある息子のために捧げたのでした。
曲を聞いただけでも十分に心に響きますが, 息子と過ごす時間が少なく何もできなかったのではないかという後悔と, 悲しみを乗り越えて前向きに生きようとする姿が伝わって来ます。 
『ティアズ・イン・ヘブン』 は93年年間最優秀曲に選ばれ, また, この曲を収録した「アンプラグド Unplugged」も最優秀アルバム賞を獲得しました。 クラプトン自身も最優秀男性ポップ歌手また最優秀ロック歌手に選ばれるなど主要6部門をすべて獲得しました。


コナーに捧げた曲として Pilgrim に収録の The Circus Left Town  もあります。 これは事故の前日に二人で見に行ったサーカスをテーマにした曲です。 (原詞と訳詞はここをクリック


クラプトン自身も両親が正式に結婚していない形で生まれた(父親はイギリスに駐在していたカナダ人兵士で第2次世界大戦後帰国。 母親はエリックを祖父母に預けてドイツへ渡り,そこで別のカナダ人と再婚)ので, コナーに対する思いはことさらだったのでしょう。  Unplugged や Pilgrim には My Father's Eyes という曲も収録されています。 何を言おうとしているのかわかりづらい詞ですが(原詞と訳詞はここをクリック), クラプトン自身と彼の父親, そしてコナーがクラプトンの頭の中で錯綜している感じがします。