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26     American Pie (Don Mclean)
  アメリカン・パイ (ドン・マクリーン)
1972
   原詞・訳詞 
8分30秒にわたる超大作。 そして謎めいた詞で有名な70年代のポップスの代表曲でマドンナもカバーしていました。 その謎めいた詞の解釈を巡って人々はああだのこうだの言いますが, 作った本人は歌の解釈など言いません。 よくあるパターンですね。 


作った本人が明かしたのは最初の方に出てくる新聞記事の部分。 これはバディ・ホリーという50年代に活躍したロックン・ロール歌手が飛行機事故で死んだことを言っているそうです。 
あとは支離滅裂な内容ですが,これは夢を歌にしたのではないかと私は思います。彼が見た夢の中で, 自分の10代, 音楽遍歴,フットボール観戦などが現れ, これを韻を踏むようにして詞にしただけの話ではないかと察しています。 だから意味がありそうで意味のない歌と言えばそれでおしまいですが, どうでしょうか。

 
英語ならマザーグースに代表されるように, 韻を踏んで音が気持ち良ければ別に意味はなくてもいい。 そんな歌がたくさんあります。 (このアメリカン・パイの詞にもマザーグースの1節があります。 Jack be nimble Jack be quick というところです。) この歌もその流れの上にある感じがします。



マルクスだの神だの核シェルターが出てくるから聞いている人は身構えてしまいますが, 深い意味はないでしょう。   たびたびこの『なつメロ英語』で触れていますが, 60年代末から70年代始めあたりは冷たい戦争やら学園紛争やらがまっさかり。 これにサイケデリックだのインド哲学だのが加わって, 何か訳のわからないもの, 難解なもの, 反体制的なものがカッコいいという風潮が出ていたころです。時代の流行と見ればこの歌詞も納得できるのではないでしょうか。


ところでこの歌詞のリフで出てくる This'll be the day that I die という1節については 「これが私が死ぬ日」ではなく「私が死ぬなんて考えられない」と言う意味。 これはバディ・ホリーのヒット曲(ビートルズやリンダ・ロンシュタットも歌っていた) That'll be the Day のもじりで, これ自体が英語の決まり表現になっています。(当サイトの『ひとことENGLISH』参照)


同じ個所の  levee について
この部分はレコードの歌詞と私の訳が大きく異なるところです。 詳しくは当サイトの掲示板の抜粋をご覧下さい。


歌詞全体のテーマは音楽です。 
だから中にはビートルズやローリングストーンズを連想させる1節が含まれています。
公園で練習している quartet はビートルズのことでしょうし, フットボール場で行進するバンドはサージャント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドでしょう。
moss grows fat on a rollin' stone 「転石にコケがびっしり」は A rolling stone gathers no moss. (転石苔を生じず=転職を繰り返すと金はたまらない)のもじりですが, 『ローリング・ストーンズ』のことを暗示しているのは明白です。( Jack Flash はローリング・ストーンズの1968年のヒット曲 Jumping Jack Flash の連想です。)





また歌詞の中に chevy (アメリカ車シボレーの愛称)や pick up truck が出てきますが, 前述のバディ・ホリーが1959年2月に死んでいることから, ドン・マクリーンの乗っていたシボレーの車はこんな感じではなかったかと思われます。 これは1957年のシボレーのピック・アップ・トラックです。





最後にドン・マクリーンのサイト(英語)のアドレス http://www.don-mclean.com/これを見るとまだ精力的に音楽活動をしているようですし, ホームページ自体にもかなり力を入れているようです。