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150    Touch Me   (The Doors)
 タッチ・ミー (ドアーズ)
1969
    原詞・訳詞
忙しいもので, 手抜きさせていただきます。 
これなら歌詞が短くてインスタント・ラーメンができるまでには訳せてしまう―それで選曲しました。  


           


『タッチ・ミー』はコマーシャリズムに則った作品とドアーズ・ファンからは非難された曲ではありますが, シングル盤のヒット曲が好きであった45回転人間であった私には, ちょうどいい塩梅の曲でした。


今聞いてもさほど古さを感じさせないアレンジは, このころのヒット曲のそれをギュッと凝縮しているかのように思えます。 
シカゴ, ブラッド・スウエット・アンド・ティアーズ, アイズ・オブ・マーチなどの出現を予言するブラス, ビートルズやストーンズ, ビージーズ, モンキーズなど当時のウレセンたちが一度はハマるクラシカルなストリングス,  ほのかに漂うサイケの香りを出すには欠かせないチープな電子オルガン, ナニゲに目立つベース,  そして何よりバンドの曲でありながら蔑ろにされているリード・ギター。  
適度にカッコいい仕上がりのこの曲は, 60年代末期のサウンドを追及しているその時代を知らない世代にはよい課題曲になるでしょう。 


           


【歌詞について】
歌詞はぶっきらぼうでジム・モリソンのイメージそのものです。 もし彼が日本語を話したらどういう言葉になるか。 今回はそれが訳詞のテーマです。


ジム・モリソンは当時のセックス・シンボル(文字通りのソレをステージで見せては捕まったことで有名ですが)と言われた男です。  と言って男臭く訳せばよいというものではありません。 
例えば体育会系風に
Come on, come on, come on, come on
Now touch me, baby
Can't you see that I am not afraid?
What was that promise that you made?
Why won't you tell me what she said?
What was that promise that you made?
オラ オラ オラ オラ
俺に触ってみろよ。
わかんねえか 俺は怖くねえぞ。
お前 何て約束した?
あの女 何て言ったか教えろよ。
お前 何て約束した?


Now, I'm gonna love you
Till the Heavens stop the rain
I'm gonna love you
Till the stars fall from the sky
for you and I
愛してやるぜ。
天が雨を止めるまで
愛してやるぜ。
星が空から落ちて来るまで
お前と俺のために。
とただ乱暴な言葉遣いで下品に訳せばよいというものではありません。 知的・繊細・内気・神経質でありながら不遜で大胆不敵― 一歩間違えると犯罪者になり得る反社会性に, 女性が惹かれる優しさと幼児性を加味する。 これが私のジム・モリソン像で, そういう感じを出すように訳さないといけません。 などと言っても訳してみたら何てことのないものになってしまいましたけれど。。


最後にこの詞の英語について。 コーラスの最後の行の for you and I は for you and me が正しい英語ですが, 現実にはこういう無教養な言い方をするネイティブ・スピーカが少なくないらしくアチラの人向けの文法書のタイトルに使われていたりします。 ここでは sky と韻を踏むためですが, 仮に文法通りに for you and me と歌うと歌の調子が弱くなって for you and I が正解であることがわかります。