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141    Sealed With A Kiss   (The Lettermen)
 涙のくちづけ  (レターメン)
   原詞・訳詞 原詞・訳詞(カナ表記付き) 
なつメロだからと言って昔話ばかりじゃいけない。 なつメロを扱いながらそれを今の時勢と結び付ければ, ちょっとは知的なコンテンツに見えるかもしれない。 例えば今回の The Lettermen 。 日本語にすれば『手紙男たち』 。 手紙と来れば郵便。 と来れば, 郵政改革。 そうだ, 世界の嫌われ者ブッシュにゾッコンの, あのお方のことを絡めて書くなんでどうだろう?


ところがレターメンの公式サイト(http://www.thelettermen.com/home.html) を覗いて見れば  The Lettermen の letter は「手紙」ではなく「文字」。 結成当時の50年代末,グループ名に学芸関係の語をつけるのが流行っていたので(例: Four Freshmen「=4人の大学1年生」), その流れで命名し, ステージ衣装も文字を縫い付けたセータだったとか。 


ということで時事問題など触れることなく, さっさとなつメロと行きましょう。


           


レターメンはブリンガム・ヤング大学の学生だったジム・パイクボブ・エンゲマン, それにラウンジ・シンガーだったトニー・ブタラが1960年に結成したボーカル・グループ。 1961年にキャピトル・レコード移籍後初のレコード The Way You Look Tonight (30秒試聴) がヒットします。 他のこの時期のヒット曲ではパーシー・フェイス・オーケストラのカバー Theme from A Summer Place(30秒試聴) があります。


そして1967年から72年までエンゲマンに代わってジム・パイクの弟のゲーリー・パイクが加入。 Hurt So Bad30秒試聴) Going Out of My Head30秒試聴) Put Your Head On My Shoulder (30秒試聴)そして Love30秒試聴) といった日本でも馴染みのある曲を次々と出していた最も充実していた時期です。


1972年, ジム・パイクに代わりもう1人の弟ダニー・パイクが加入します。 1979年に彼らのレーベル, アルファ・オメガを設立してからはトニー・ブタラ以外のメンバーが頻繁に入れ替わり現在はトニー・ブタラ, ドノバン・スコット・ティ(1984年より), ダレン・ダウラー(1995年より)となっています。


なお上記のレターメンの公式サイト(というよりトニー・ブタラの公式サイトといった感じ)に, トニー・ブタラが高校時代に作った4人組のコーラス・グループ The Fourmost の紅一点は, のちに『ハワイアン・アイ』(イメージ検索)で人気を博したコニー・スティーブンス(イメージ検索)その人です, と書かれています。  ご参考までに。


           


今はどうだか知りませんが, 昔は英語の語学番組には『英語の歌を歌いましょう』みたいなコーナがあって, だいたいジェリー伊藤の模範歌唱が付き物だったような記憶があるのですが, 『涙のくちづけ』はそういう企画にはぴったりの曲だと思います。 わかりやすい英語とスローなテンポ。 そして丸暗記も可能なちょうどいい具合の長さ。


英語の勉強のツマになりそうなこの歌の作詞をしたのはピーター・ウデル。 そして作曲はゲーリー・ゲルド。 彼らは50年代から60年代にかけてブライアン・ハイランドに Ginny Come Lately30秒試聴) や Let Me Belong To You30秒試聴) など多くの曲を提供していますが, その中で『涙のくちづけ』は1962年に最高3位に達した, 最も知られている曲です。 (ブライアン・ハイランド盤30秒試聴


ゲルドとウデルのコンビはゲーリー・ルイスとプレイボーイズにも Save Your Heart For Me30秒試聴)など曲を提供しています。 そして彼らも1968年に『涙のくちづけ』をリリース, こちらは最高19位になりました。 (ゲーリー・ルイス盤30秒試聴


さらに1972年にはボビー・ヴィントンも『涙のくちづけ』を録音, 同じく最高19位のヒットとなりました。 (ボビー・ヴィントン盤30秒試聴


以上3組のアーチストの『涙のくちづけ』はそれぞれの年のベスト40内に入るヒットとなったのですが, レターメン盤はアメリカで発売された1965年のベスト40内を見てもランクインしていません。 


一方, 日本ではアメリカ発売後4年経った1969年にリリースされましたが, こちらは結構ヒットしました。 海外の中古レコード売買サイトを見ても, レターメンの Sealed With A Kiss というと日本盤が売られているようです。 確かに4つの『涙のくちづけ』を聞き比べると, しっとり洗練されたコーラスとアレンジのせいなのか, レターメン盤が一番日本人向けという感じがします。 とりわけブライアン・ハイランド盤やボビー・ヴィントン盤はあまりにもテンポが遅すぎて, さすがのオールディズ・ファンにも「こりゃ古すぎるわ〜」と思わせます。 それに比べてレターメン盤は今聞いてもさほど違和感はありません。


でもやはり40年近く前の作品。 レターメン盤も時代を感じさせるところがあります。
アイ・ウィル・フォロウ・ヒム(1963)  愛なき世界(1964)  恋のダイヤモンド・リング(1965) にも共通に聞こえる[ドン・休・ド・ドン・休/ドン・休・ド・ドン・休]というあの60年代の独特のリズムです。 


そして何よりこの歌が時代物であると思わせるのが, 夏の間逢えなくなる恋人に毎日キスで封印して手紙を送るという内容。 ケータイでいつでもどこでも通話・メール・写真, という時代, これはまさに地球上から絶滅寸前のシチュエーションです。


 せめて歌の世界で永遠に残そうと思い今回は歌詞にカナ表記版もご用意いたしました。 ジェリー伊藤の模範歌唱こそありませんが『英語の歌を歌おう』的世界をお楽しみください。 コーラスなので多少調子が外れても sus だの aug だので表記される複雑な和音かなと思わせて誰かに聞かれても安心です(ウソ)。