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107   Alone Again (Naturally)   (Gilbert O'Sullivan) 
 アローン・アゲイン   (ギルバート・オーサリバン)
1972
    原詞・訳詞  
O'〜で始まる苗字はアイルランド人を意味しますが, ギルバート・オーサリバンも例外ではなく1946年12月1日アイルランドの南西部ウォーターフォード生まれです。
※ Trivia さんより
ギルバート・オサリバンの名前ですが、本名ではなく、イギリスの有名なオペラのソングライターコンビ、ギルバート&サリヴァンの名前をもじっているはずです。
割と大げさなオペラ調の曲を「ギルバート&サリヴァン調の」などとも表現するほど、有名ですね。リンクを貼っておきます。
http://britannia.cool.ne.jp/cinema/title/topsy_turvy.html



スインドン・アート・スクールというカレッジで仲間たちとバンドを組んでドラムとキーボードを担当していたあと, 1967年に You という曲でソロ・デビューしました。
60年代の終わりは, シンガー・ソングライターというとジーンズにデニムのシャツというジェームス・テイラー型が多かったので, 彼はチャプリンをイメージして自分のキャラクターを作ったそうです。 そう言えば, この『アローン・アゲイン』もチャプリンの映画でも出てきそうな滑稽でいて哀しい男が主人公です。


                


『アローン・アゲイン』は, ゆっくりしたアフター・ビートが印象的な覚えやすいメロディで, 言葉がわからなくても楽しむことはできます。 が, ただメロディだけ聞いたのでは, この歌を本当に聞いたことになりません。 その斬新な歌詞の意味を知って初めてこの歌がなぜヒットしたのかがわかるのです。

※つぉんつぃんさんより
この曲はいかにも自伝的な歌詞になっていますが、
「O'sullivan本人はそれを否定している」ということがかなり重要かも知れません。
インタビューなどを受けた際、何かにつけて彼はこのことを主張するので、
老婆心ながら、彼に対しての誤解を招かないためにも、
そのことを一言書いておかれた方がよいのかも知れません。



歌詞を見てわかる通り, 一つの節がえらく長い歌です。  
ふつうは韻と文の切れ目, 歌の切れ目が一致しているので, 訳も切れ目ごとにつけられるのですが, この歌はこれを無視しています。
例えば
  • In an effort to make it clear to whoever
    What it's like when you're shattered
この部分は実際の歌は韻を踏むために
  • In an effort to
    make it clear to who
    ever what it's like when you're shattered
と歌われているのです。
淡々と長台詞を言ったあとで, Alone again naturally で締める。
こうすることで Alone again naturally が耳に残る。 
耳に残ると言うことは曲がヒットする大事な要素ですから, 結果的にこれがヒットにつながったと言えなくはないでしょう。


                


さて第1節の歌詞の中に自殺をほのめかす, くだりがあることでこの歌は知られています。
  • And visit a nearby tower
    And climbing to the top
    will throw myself off
    近くの塔に行って
    一番上までよじ登り
    身投げする
この部分ですが, これを読んで, 浅はかな人は, 『アローン・アゲイン』を「自殺願望の暗い歌」で済ましますが, そうではありません。 この歌詞の優れているのは, 自殺などという暗いテーマを滑稽なものにしてしまう展開のしかたです。 
第1節の最後の方の, 教会でひとりぽつんとしている主人公を見ている周りに人々の反応を直接話法で表した部分
  • "My God, that's tough"
    "She stood him up"
    "No point in us remaining"
    "We may as well go home"
    「お気の毒に」
    「彼女に待ちぼうけ食わされたのでしょう」
    「私たち, ここにいてもしょうがないですね」
    「家に帰ったほうがいいんじゃないですか」
この部分に, 他人の生活に余計な口出しをしないイギリス人の気質が見えるし, ギルバート・オーサリバンはこれを風刺しているようにも思えます。 
実は『アローン・アゲイン』は暗い歌ではなく, 『ミスター・ビーン』にも通じるイギリス的なユーモアと次の歌詞から, 打ちひしがれた人々への同情を込めた心優しい歌なのです。
  • It seems to me that there are more hearts
    Broken in the world that can't be mended
    Left unattended
    What do we do? What do we do?
    ボクには思えるんだもっともっと
    世界には傷心している直すこともできずに
    相手にもされないままのひとがたくさんいるって
    どうしたらいいんだ どうしたらいいんだ


               


最後に一箇所注釈を入れます。
それは2番の最後
  • In my hour of need
    I truly am indeed
    Alone again, naturally
    ボクが必要とするときに
    ボクは本当に
    また1人になってしまう 自然の成り行きで

の部分です。
これは学習参考書などでもよく見かける, 英語のことわざ A fiend in need is a friend indeed (まさかのときの友達が本当の友達)をベースにしています。
 「まさかのときに友達が助けてくれるのではなく, また一人になってしまう」 ことわざをベースにこの歌詞を照らし合わせて読めば, こうなるでしょう。